第二部 自分のための「街道ウォーキング(トレイル)」

 1.はじめに
○私が50代から始めた「鎌倉街道の歩き探索」は、心身への良い刺激効果があり現在も自分が健康でいられる要因と気づいた。
○その契機は、令和5年9月発行の「ロングトレイルⅡ」に本が掲載されたことに始まる。聞き慣れない「トレイル」に注目し、理解
 するために情報を求めた。
 東海自然歩道の普及促進イベント「つなぐ東海自然歩道」に参加して
一般社団法人「トレイルブレイズハイキング研究所」は、令和6年2月24日、「長距離自然歩道」の第一号として約半世紀前に開通した
「東海自然歩道」の普及・啓発イベントを名古屋市西区のなごのキャンバス(元小学校講堂)で全国からの参加者及びスタッフ総勢
約180人が参加して開催されました。 昨年9月発行された「トレイルヘッドⅡ」に掲載された御縁で、このイベントを知り、急遽の申し
出に係わらず鎌倉街道のチラシ配置を認めていただきました。
また各地トレイルの紹介タイムで、他のトレイルに引き続いて指名をいただき口頭で次の要旨を説明できました。
各地のトレイルは、千キロメートル越のロングトレイルですが、鎌倉街道は総延長約480キロの軽量級であり、標識等のトレイル(歩き)
整備は未開通です。しかし、鎌倉街道は里山や市街地近くを通っており、
何回にも分けて歩く「繋ぎ歩き」と公共交通の利用も比較的
容易であるので、高齢者や歩き慣れていない方も
安心して運動を楽しむことができる旨を説明しました。ランチタイムの時間に一部の
参加者から同感であるとのご意見や本に強い関心を示していただき、街道談義に盛り上がりました。 チラシは、約50枚を持ち帰って
いただきました。更に、「トレイルヘッドⅡ」の編集長から声をかけていただき、嬉しい時間もいただきました。
参加できて、本当に良かったです。 関係者の皆様、ありがとうございました。
会場の様子(ブース席から撮影)  会場の様子(最後列から撮影) 
   
 中日新聞記事(令和6年2月25日朝刊) ブース席です。左は新しく作成したチラシです。
チラシ大画像 



○環境省のHPに「トレイル初心者ガイド」のページを見つけた。
 ・トレイルとは、森林や原野、里山などにある「歩くための道」のこと。こうした道を歩く速さで旅するのが「トレイル」である。
 ・バックパックを背負えば(歩くと)車のスピードでは見えなかった風景や歴史、文化をじっくり感じることができる。
 ・普段の生活では見過ごしてしまう些細な風物の変化にきづくことができる。
 ・地元の人とのふれあいや歩く者同士の絆も生まれる。
      *上記は環境省東北地方環境事務所HPから一部引用
 
トレイルについて・・・・・・・参考:環境省東北地方環境事務所HP      *街道トレイル(歩き)関係を青色文字にしてあります
○森林や里山等にある「歩くための道」(旧街道)を
歩くはやさで旅する
○車のスピードでは見えなかった
風景や歴史、文化をじっくり感じることができる
  (更に小誌「鎌倉街道」掲載の写真や紀行文から
中世時代の風景が想像できます
○そこでは、普段の生活では見過ごしてしまう些細な風物の変化に気づくはず。
○動物たちの姿や痕跡を見つけたり、植物の芽吹き開花を目の当たりにしたり、自然との出会いも様々です。
○旅をするなかでは、人とのふれあいも、また魅了です。
地元の人とのふれあいや歩く者同士のきずなも生まれます。
 
 
無理をしないで気軽に歩くには
 短い日程で歩きたい人は・・・    途中で疲れてしまったら・・・    時間と体力に余裕がある人は・・・
 一つの区間を日帰りや一泊か二泊程度で気軽に歩いてみよう。 公共交通機関(含コミュニティバス等)やレンタ-サイクルや、 時にはタクシーを活用したり、旅の行程を計画するところから自由に楽しみましょう。   公共交通機関があるルートでは、電車やバス(含コミュニティバス)を利用しよう。   時間のある方は、全ルートを踏破する計画を立ててみることもお勧めです。
私が発刊している鎌倉街道(京鎌倉往還)の中の地図等は基礎的情報として使えます。
<コミュニティバスやレンタ-サイクルの有無等は各自治体の観光協会か市役所で確認できます>
      京鎌倉往還は約480㎞です。
中世時代の紀行文は歩きで14日程度
(34.28㎞/日)要しています。時間や体調を調整しながら何回にも分けて歩く「繋ぎ歩き」も可能です。私も20年かけて、何回にも分けて歩いています。
写真や記録は日付や場所を付与した名前をつけ、その都度整理し残すことが混乱を防ぎます。
○鎌倉街道を完全踏破した私の実感も同じであった。
 この機会に門外漢であるが、「歩き旅=運動」と「健康」について、高齢者の仲間に有益な情報を御報告したいと思います。
 
2.高齢者世代の健康に関する現状
 ○日本の総人口は、令和3年10月1日現在、1億2,550万人という。 そのうち65歳以上人口は、3,621万人、総人口に占める割合
   (高齢化率)は28.9%となっている。男女別では、男性は1,572万人、女性は2,049万人と女性が約30%多く長生きである。
 ○健康寿命と平均寿命?
    日常生活に制限のない期間(健康寿命)は令和元年時点で、男性が72.68年、女性が75.38%となっている。平均寿命は、
   男性81.41年、女性 87.46年であり、その差が
男性では8.73年、女性は12.06年 が日常生活に制限のある「健康ではない
   期間」 「介助が必要な期間」であり、
いかに健康に生活できる期間を延ばすかに関心が高まっている。                                                                    出典:(公財)生命保険文化センターhp
   *健康寿命とは?   「心身ともに自立し、健康的に生活できる期間」
 

 
 最新の平均寿命と健康寿命 (令和元年:2019)
 
                                     出典:(公財)生命保険文化センターhp
 ○要介護が必要となった主な要因?
    65歳以上の要介護者に介護が必要となった主な要因をみると、男女合計の値で、
認知症は第一位(18.1%)、脳血管症患
   (脳卒中)が第二位(15.1%)、骨折・転倒が第三位(13.0%)であった。             (令和4年版高齢社会白書)
 

要介護者等の性別に見た介護が必要となった主な要因(65歳以上) 
 

3.日常的な活動と認知症予防 
○要因第一位の認知症対策は世界中で研究が続けられており、現時点では決め手はないが、活動的なライフスタイルを確立する
  ことを提言されている
。具体的には
 
○体を動かす「身体活動」「運動する」
 厚生労働省が作成した「身体活動・運動ガイド 2023」では、高齢者に対し毎日40分以上の身体活動を推奨している。達成できな
くても、十分でも多く体を動かすことを呼びかけている。座りっぱなしは要注意である。
 毎日歩くことは、ややハードルが高いが、優しい事例では、京都大学・カリフォルニア大学の研究で毎日歩かなくても、週1~2日の
ウォーキングでも健康維持が可能としている。                    参考「名鉄のウォーキング」パンフレットから引用
 
頭を使う「知的活動」 (脳の若さを保つ秘訣
  一般に年を取ると、左脳の機能である計算力や記憶力が低下してくるが、経験や学習により高まる右脳の機能はむしろ伸びてくる。したがって、脳に刺激を与え
 右脳の能力を高めることが脳の若さを保ち、認知症の予防に役立つものと考えられる。  (健康長寿ネット:生涯現役をめざして から引用 )
 
人との交流
 他者とのコミュニケーションも認知予防に有効である。脳を刺激する他、気持にも豊かさをもたらしめる。
 
   

 「名鉄のウォーキング」パンフレット P5  参考
予防の5ポイント 
 介護施設「LIIFULL介護」のHP から引用

 ***参考 1 ***
  「認知症対策推進大綱」では「予防」とは、「認知症になるのを遅らせる」、「認知症になっても進行を穏やかにする」という意味と説明
 している。
  ***参考 2 ***
  高齢期における運動習慣は余命を延ばすというよりも生活機能の自立維持に貢献しているものと考えられる。<寝たきり防止等>
                                 出典:公益財団法人 長寿科学振興財団HP

  
4.街道ウォーキングを楽しみながら運動習慣の醸成に寄与する
 
○小誌鎌倉街道は、紀行文、自分で撮った写真、参考史料等から頭の中で中世時代の風景を想像し楽しむことができる。
 ○時間を経た風景を想像する楽しみは、地元一宮市において平成22年と24年に舟木一夫展示会を開催した経験から気づいた。
  ファンに懐かしい当時の写真、レコード、青春映画のポスター展示に加え、地元で撮影された「青春映画」(高校三年生・1963
  放映、花咲く乙女たち1965年放映)のロケ地巡りを企画した。撮影場所を探し出し、現地で新旧の風景を対比し、ロケ地と判定
  した。  (著作権の関係で画像の公開は中止)
 ○街道探索は、現在の風景から紀行文の記述を参考に800年の時空を越えて想像できた。旅人が見た場所で同じ風景を見て
  いると分かった時は大きな喜びを感じた。皆さんにも、頭の中で中世の風景が想像できる楽しみを体験していただきたいと思い
  ます。
 ○一日で歩ける活動範囲を考慮して、やや狭い範囲で本に略地図を掲載しています。どの地区でも独自の歴史や文化、グルメ
  等新しい発見があります。神社、仏閣も地域固有の歴史を有しています。これらの情報を自分の好みで取捨選択するとオリジ
  ナルのプランが作成できます。一日である歩けるエリアは達成感を得られやすく、次回、次の区域に挑戦する意欲に繋がると期
  待できます。 毎回の達成感は、最終的に全区間を踏破して更に大きな達成感を得られる可能性が期待できます。運動習慣に
  寄与できると思われます。
 
 
第二部まとめ 自分のために楽しく歩き健康寿命を延ばそう
  最近、鉄道会社の日帰りウオーキングが開催され人気を集めている。祭、イベント、紅葉観賞などに合わせ目的地が選定され、
  年間スケジュールが作成されている。参加者は決められたコースを歩くことに専念することになる。
   ここで提案したい「鎌倉街道を歩く・ウォーキング」は、鎌倉街道の本を参考に自分で各地の歴史や文化を調べて、オリジナル
  のプランを作成し、楽しく歩くことです。 グルメやお土産を買うことも忘れてならない「お楽しみ」です。 見所を調べオリジナルの
  プランを作ることで、楽しく頭を使う、脳を刺激し脳の若さを保つ効果が期待できます。
  健康に良い歩き旅をしながら、各地で紀行文を味わい中世の風景を想像したり、歴史、文化、グルメを楽しみましょう。
                                                                        以上
 

 ***ウォーキングを楽しむ誘いのワード***

 Yahoo!連載記事で、「大人の日帰りウォーキングを楽しむ」記事を発見した。ライターは「歩く旅の楽しさを伝えたい」と熱い
思いを示す。 ライターの「歩き旅へのこだわり」を感じます。 分かりやすい文です。是非、皆様に読んでいただきたいです。

    ・50代、60代 これからは自分が楽しい時間を持とう 

人生の主役は自分自身 自分のために楽しむひとり旅 <2023.11.25>

    ・大人の日帰りウォーキング 伸ばしたいのは健康年齢、

必要な運動習慣(の一つ)は楽しく続ける歩く旅<2024.1.21>

    ・大人の日帰りウォーキング これからの趣味はお金をかけず

時間を使って、歴史や史跡を楽しむ歩く旅<2024.1.19>

出典(Yahoo!ニュース エキスパート連載記事「大人の日帰りウォーキング (ライター わか子))
      *2024.3.17リンクを承認
                                                  以上